新しいから美味しいとは限らない!

4月も後半になり、ほとんどの酒蔵さんでは仕込みが終わり、
仕込み中の早い毎日からゆっくりとした時間が流れる毎日にかわり、
もろみ管理や上槽作業、瓶詰めや片づけが仕事に中心になっている
ことでしょう。

今酒造期は、例年にも増して寒い日が多く大変だったことでしょうが、
酒造りに関しては良い条件だったようです。
それは、搾りたての新酒を飲んでみても垣間見ることが出来ます。
綺麗で透明感のある酒質で、味があってキレも良い印象です。
フレッシュさと同時に、渋さと硬さもあるのが搾りたて新酒の特徴ですね。
でも開栓したてが一番美味しいのでしょうか?

日本酒って、開けたときが一番美味しいと思われる方も多いことでしょうが、
じつはそうとも限りません。
仕込み方法や酒蔵の個性によるところもあるのですが、
お酒の性質や開栓時期にも関係してきます。
銘柄によっては、開栓直後が一番美味しい状態のお酒もあれば、
開栓してから日に日に美味しくなるお酒もあります。

特に、最近の新酒生酒は開栓してすぐは、とてもフレッシュで爽やかでありながら
まだ硬くて味が開いていなかったり、渋さが強かったり、
はたまた新酒生酒の特徴でもある麹ばなが強く感じることもあります。
これがまた新酒生酒の良いところでもあるのですが、
そのようなお酒は、開栓翌日や開栓後2・3日経つと
酸や渋さが丸くなり味に深みが出てきて美味しくなることが多くあります。

これは魚にも言えることでしょう。
日本酒と最も相性の良い食べ物と言えば、
真っ先に上げられるのが“刺身”ですが、
捕れたての魚は、活きが良くて身が締まっていて美味しい物です。
でも、魚のプロに言わせれば、釣りたての魚よりも
釣って何日か経った魚の刺身が、より美味しいと言います。
釣り上げてすぐに締めた後からアミノ酸が魚の体に回って美味しくなるそうです。

なんだか日本酒と一緒ですね!
日本酒はゆっくり・じっくり味ってください!!

あっ・・・、ちなみに酒庫なりよしで販売している海鮮珍味は、
開封してすぐが美味しいかよ(^^)

2018年04月25日